第2.65世界線　【架空国家を作ろう】

グレートブリテン連合王国はヨーロッパ大陸北西岸に位置するグレートブリテン島とその他多くの島々から構成された立憲君主制国家です。

古代のグレートブリテン島はアルビオンと呼ばれました。この名称はラテン語起源で、ドーバーの白い崖に由来するとされています。
1066年、ノルマンディー公であったウィリアム征服王がイングランドを征服、当時先進的であった大陸の封建制を導入し王国の体制を整えていきました。
その後、人口と経済力に勝るイングランドは近隣のウェールズとスコットランドを圧倒していきました。そのごも
1282年にはウェールズ
その後の歴史（抜粋）
1497年　ジョン・カボットがを発見。
1534年　国王至上法が制定。
1536年及び1543年の統一法の下、ウェールズを正式に併合
1559年　キリスト教がイングランド国教会統一
1562年　フランスでユグノー戦争が発生、ユグノーが移ってきた
1588年　アルマダの海戦でスペインを破る
1600年　イギリス東インド会社が設立された
1603年　イングランドとスコットランドが同君連合を形成
同年、ヘンリー・ハドソンやウィリアム・バフィンが北米探検を実行
1620年、ピルグリム・ファーザーズが北米に上陸(1628年に権利の請願がなされた。)
1694年　ウィレム3世がイングランド銀行を設立
1707年　当時の合同法でイングランドとスコットランドが合邦しグレートブリテン王国となる

政体はイギリスの君主を元首に戴く立憲君主制であり、内閣が議会の信任に基づいて存在する議院内閣制を採用しています。

1952年2月6日以降のイギリス女王はウィンザー朝第4代君主・エリザベス2世です。

イギリスの憲法は一つに成典化されていない不文憲法であり、制定法（議会制定法だけでなくマグナ・カルタのような国王と貴族の契約も含む）や判例法、歴史的文書及び慣習法（憲法的習律と呼ばれるもの）などが憲法を構成しています。これらは他の法律と同様に議会で修正可能なため、軟性憲法であると言えます（ただし、伝統的に憲法を構成する法律については簡単に改正されることはない）。「国王は君臨すれども統治せず」とあるのは憲法の慣習法の一つですが、これにあるように国王大権は形式的にが残っているに過ぎず、女王（国王）の権能は極めて儀礼的なものです。
これらのように、英国は世界でも最も早い段階から立憲君主制と法の支配を採用し、また立法権優位の議会主義が発達しており、議院内閣制（ウェストミンスターシステム）や政党制（複数政党制）など、現代の国家が採用している民主主義の諸制度が発祥した国です。

単一の憲法典としては成典化されていないため、不文憲法または不成典憲法であると言われていますが、それはあくまでも憲法典としての単一の成典を持たないという意味であり、法文化された憲法的法規は明確に存在しています。
憲法を構成する大部分は成文法であり、議会によって改正・改革が行われる軟性憲法ですが、慣習に基づき伝統的に憲法を構成するとされる原則的部分、立憲君主制や議院内閣制、人権保障などは一貫して維持されています。
成文法の他、様々な慣習法に基づく権力の権能の制限、貴族の権限及び儀礼の様式なども、イギリスの憲法を構成する要素に含まれています。
議会主権を基礎とすることから、通常の手続に従って議会が法律を制定することにより、憲法的事項を制定、変更することが可能です。
かつてゴードン・ブラウンは、イギリスにも成文憲法典が必要と考え、自政権下での制定を目指していましたが達成はできませんでした。
以下は、イギリスの憲法を構成する成文法のうち、イギリスの議会が2003年11月に発表した報告で「特に基本的なもの」として説明しているものです。
マグナ・カルタ
権利の章典
1689年王位及び議会承認法
ウィリアム3世とメアリー2世の王位継承と1689年仮議会の有効性を承認した法
1707年合同法
1800年合同法
議会法（1911年議会法（英語版）、1949年議会法）
1958年一代貴族法
1964年国家緊急権法
1975年庶民院資格剥奪法
1975年大臣等給与法
政務次官以上の官職の給与と人数制限を定めた法
1981年イギリス国籍法
1981年上級裁判所法
1983年国民代表法
1998年スコットランド法
スコットランド議会とスコットランド行政府の設置を定めた法
1998年ウェールズ統治法
ウェールズ議会の設置を定めた法。
1998年人権法
1999年貴族院法
2004年市民緊急事態法
2003年の議会報告以降に制定された憲法改革法
以下は、2003年11月の報告以降に新しく制定された憲法改革法です。
2005年憲法改革法
連合王国最高裁判所の独立による、司法権の独立強化。
2010年憲法改革及び統治法
2011年議会任期固定法→2022年議会解散・召集法 にて廃止
2011年議会任期固定法にて、首相による庶民院（下院）の解散を制限するようにしたが、政治が混乱する原因となったとして廃止されました。廃止以降は、2011年以前と同様に首相の判断の下にいつでも解散できるように戻っています。
2013年王位継承法

その他憲法に関する重要な文書

1782年議会法 - クルー法（Crewe's Act）とも
1782年庶民院（資格剥奪）法（House of Commons (Disqualification) Act 1782、1782年） - クラーク法（Clerke's Act）とも
1792年名誉毀損法
1794年陰謀法
1795年反逆法
1795年扇動集会法
1799年扇動規制法
1800年合同法
1811年摂政法
1828年聖餐審査法
1829年カトリック解放法
1832年改革法
1832年スコットランド改革法
1832年アイルランド改革法
1835年地方自体法

連合王国は大まかに言えば、グレートブリテン島の南半分を超えるエリアを占めるイングランド、その北に位置するスコットランド、イングランドの西に位置するウェールズから構成されます。
ウェールズは、1282年にイングランド王国に吸収された後もウェールズ辺境領として独自の法域であり続けましたが、1536年にはウェールズ辺境領の廃止とともに独自の法域としての地位も喪失し、イングランドおよびウェールズとして単一の法域を形成するに至りました。イングランドおよびウェールズにおける法は、English lawやthe laws of England and Walesと呼ばれ、「イングランド法」や「イングランドおよびウェールズ法」などと呼ぶべきですが、便宜的に「英国法」や「イギリス法」と呼ばれることが多いです。
イングランド法は、ゲルマン法の一支流であるアングロ・サクソン法を背景として成立した法体系です。イングランドは、ドイツのアンゲルン半島から来たアングル人の国という意味でゲルマン系であるのに対し、ウェールズ、スコットランドは、ケルト系の先住民の国です。後にノルマン人によって征服された歴史をもつ英国は、成立の始めからして多民族国家であり、言語も宗教も異なります。このことが「イングランド法」の歴史に深い影響を及ぼしています。
英国は憲法典を有さないのみならず、そもそも英国法上は、国家権力を一般的・包括的に把握する機能を有する「国家」という概念が存在せず、その代わりに王（King）や女王（Queen）ないし国王（the Crown）という概念が便利なシンボルとして機能してきました。英国は形式的に全ての権力が国王に属するとされつつも、それぞれの機構が実質的に権限を行使する、という立憲君主制をとっています。このような政治体制になったのは、英国の歴史そのものが国王との権力闘争で国王から徐々に権力を奪って国王大権を制限してきた歴史であることに由来します。
その意味で、イングランド法の歴史は1066年のウィリアム征服王による封建制の確立に始まると言って良いでしょう。
ウィリアム1世は、国王を補佐する「バロン」と呼ばれる直臣貴族からなる「王会」を設置し、強固な封建的支配体制を確立しつつも、古来からのゲルマン的慣習を尊重するという妥協的な政策をとりました。そのため、慣習から発見されるものであるコモン・ローは、人の手によって変更することができないものとされました。このように、イングランド法における「法」とは、成文化された「法律」のことでなく、判例が第一次的な法源とされる不文法・慣習法のことであり、このことから中世の慣習との歴史的継続性が強調されるのです。
1154年にヘンリー2世が神判を禁止して陪審制を復活させ、各地方に国王直属の多数の裁判官を派遣する巡回裁判制度を創設したことがコモン・ローの発達を促し、これがイングランド法に固有の特徴を形成していきました。その意味でイングランド法の歴史は、コモン・ローの歴史でもあります。
1215年のマグナ・カルタは、コモン・ローが王権に対しても優位することを確認するものですが、あくまでその内容はバロンの中世的な特権を保障するものに過ぎませんでした。にも関わらず、これが後に歴史的な継続性の強調によって法の支配と結びついて復活し、基本的人権を保障する近代立憲主義の理論として重大な役割を果たすようになったのです。
その後王会は、大評議会と小評議会とに分かれました。大評議会は、後に貴族が王宮の議事堂で会議するようになったことからこれが貴族院に発展し、他方で庶民はウェストミンスター大修道院の食堂で会議を開くようになり、これが庶民院に発展しました。このことが、貴族のみならず庶民の政治的な権限が増大して行く契機となりました。
一方、小評議会は、後に国王評議会に発展した上で、財務府と大法官とに分かれました。1272年にエドワード1世が即位すると、国王が自ら裁判所を主宰することもなくなったことから、財務府は、「王座裁判所」、「財務府裁判所」 、「人民間訴訟裁判所」の3つに分かれて発展し、コモン・ロー裁判所と呼ばれるようになりました。
13世紀から15世紀にかけて法曹のギルドである法曹院が創設されて行ったことで高度な専門教育が為されるようになり、法廷弁護士が事務弁護士との職域争いで勝利していく過程で法曹一元制が確立し、そして、コモン・ローの王権に対する優位を根拠に、国王から徐々に独立して権限が行使されるに至りました。他方で、このことがコモン・ローの形式化・硬直化という弊害を生みだし、これがエクイティを発展させることとなり、現在のコモン・ローとエクイティとの法の二元性を形成するきっかけとなりました。
また、法曹院による専門教育と一般の素人による陪審員制度という正反対の性質の制度が組み合わさることにより、現代に至る様々なコモン・ローの特色が形成されていきました。陪審制の下では、素人でも適正な判断をすることができるようにする必要があり、その判断のための一定の基準が判例によって徐々に形成されて行きました。その結果、イングランド法では、実体法が手続法の隙間から滲み出て来る、と形容されるような性質を有するに至り、大陸法体系における総則規定や抽象的な法律行為等の専門的な概念を嫌うようになりました。同様にこの素人にも適正な判断ができるようにするという見地から、当事者主義（adversarial system）、口頭主義、直接主義、伝聞法則等に支えられた高度で専門的な法廷技術が発展していきました。
1688年、メアリー、そして、その夫でオランダ統領のウィリアム3世（ウィレム3世）、この2人をイングランド王位に即位させた名誉革命が起こり、これを受けて、1689年に権利章典、1701年に王位継承法が成立することにより、議会が国王との権力抗争で最終的な勝利を手に入れました。その結果、議会の意思が国内において絶対的な効力を有するものとされ、「女を男にし、男を女にすること以外は何でもできる」と表現された「国会主権」（議会主権とも。Parliamentary Sovereignty）が確立されました。
また、1701年王位継承法が裁判官の身分保障を規定したことにより、法の支配が現実の制度として確立され、法の下の平等に従い、通常裁判所を通じて市民的自由を保障することが必要とされ、その結果、司法権の役割が重視されることになりました。以後法の支配は、国会主権と並ぶイギリス憲法の二大原理とされるようになりました。
英国において権力分立は、三権分立のような立法権、行政権、司法権の三権で考えるのでなく、国王、貴族院、庶民院の3つの権力が議会の内部における均衡と抑制とを図ることにより市民的自由を保障する原理である、と考えられています。
英国では、立法権と司法権との分立が厳格でなく、議会が裁判所の機能を併有してきた歴史があり、貴族院が最高裁判所に該当する機関であったことや、その議長であった大法官が最高裁判所の長にも該当したことも、英国に独特の権力分立のあり方といえます。
貴族院の判決は、先例（判例法）として自ら（貴族院）を含む全ての裁判所を拘束し、議会による立法によってしか修正や廃止をすることができない、という厳格な先例拘束性の原理が採用されています。例えば、謀殺は、コモン・ロー上の犯罪であり、裁判所の憲法上の権限および先例によって違法とされています。したがって、謀殺を違法とする成文化された制定法は、英国に存在しません。謀殺には従来、死刑が許容されていましたが、1998年、議会による修正を受け、無期刑が義務付けられています。現在も効力を遺す最古の法律は、1267年マールバラ法（Statute of Marlborough）の一部であるthe Distress Actです。マグナ・カルタの3つの節は、1215年に調印され、イングランド法の発達にとって大きな出来事でしたが、法律に統合されたのは1297年であったとみられています。
内閣（Cabinet）は、17世紀の後半に、国王を補佐する枢密顧問官が集まって国の方針を決めたことから始まり、1714年にジョージ1世が即位すると、国王が自ら出席することもなくなり、ウォルポールが閣議を主宰するようになったことから、徐々に首相という地位が形成されていきました。
以後、国王の「君臨すれど統治せず」との慣行が憲法的習律として不文の憲法となり、英国の立憲君主制が完成しました。

ロンドン南東に位置するグリニッチ天文台は本初子午線の起点として定められています。
イギリスは北大西洋と北海の間に位置し、フランスの北西の海岸線からイギリス海峡を挟んで35 km の場所に位置します。また、イギリス海峡の下には英仏海峡トンネルが開通しており、今ではイギリスとフランス地域を結んでいます。

イギリスには多種多様な地形が存在じふ。イングランドはその大部分が低地であり、高地や山岳地帯はティーズ川とエクス川の北西部にしか存在しません。高地としては湖水地方、ペナイン山脈、エクスムア、ダートムアが挙げられます。低地は典型的に低い丘に沿って存在し、ところどころチョーク層で構成されています。スコットランドはスコットランド本島をヘレンズバラからストーンヘブンへと横切っているハイランド境界断層によって区別されています。断層面は、北から西にかけてをハイランド、南から東にかけてをロウランドと2つの区別可能な地域に分けています。ウェールズは大部分が山岳地帯ですが、南部は北部、中部に比べてその傾向が薄いです。アイルランドにはモーン山地だけでなく、イギリスで最大面積を誇るネイ湖が存在します。
地形学からの概観としては、イギリスは主に北や西の地域における地殻変動、気候変動そして特に氷河によって形作られているといえます。イギリス（そしてブリテン諸島）における最高峰は、スコットランドのグランピアン山脈にある、ベンネヴィスです。最長の河川はウェールズからイングランドへと流れる、セヴァーン川です。湖面の最も広い湖は、水量の最も多い湖は、スコットランドにあるネス湖である。

イギリスの地質は長期にわたるプレートテクトニクスの影響を受け、複雑で多種多様です。緯度と海水面の高さの変化は、自然の沈降現象に大きく関与しており、また、継続的な大陸間の衝突が、大きな断層や褶曲といった造山運動の蓄積とともにイギリスの地質構造に影響を及ぼしています。その一方で、これらの変化は、しばしば火山運動と岩石の編成運動にも影響を与えてきました。以上のような多様な地質の歴史を経て、イギリスは今のように多様性に富んだ景観を映し出しているのです。

イギリスにおける高い山の上位10個はすべてスコットランドにある山です。
それぞれの地域における最高峰は以下に記載の通り
スコットランド: ベン・ネビス山、1,344メートル
ウェールズ: スノードン山（スノードニア）、1,085メートル
イングランド: スコーフェル山（カンブリア山地）、978メートル
イギリスにおける主な山と丘の分布は以下に記載の通り
スコットランド: ケアンゴーム、ハイランド、南部高地（サザンアップランズ）、グランピアン山脈、モナリア山地、オキル丘陵、キャンプジー高原、クイリン
ウェールズ: ブレコンビーコンズ、カンブリア山地、スノードニア、ブラックマウンテン、プレセリ丘陵
イングランド: チェヴィオット丘陵、チルターン丘陵、コッツウォルズ、ダートムア、リンカンシア丘陵、エクスムア、湖水地方、モルヴァン丘陵、メンディップ丘陵、ノースダウン、ピークディストリクト、ペナイン山脈、サウスダウンズ、シュロップシャー丘陵、ヨークシャー高原
イギリスでの最低部はイングランドの東アングリアにあるフェンズで、その高さは海水面よりも4m低いです。

イギリスで最長の川はウェールズからイングランドまでを流れるセヴァーン川です。
イギリスでのそれぞれの地域における最長の河川は、その地域の全てを通っているという特徴を有します。（以下の通り）
イングランド: テムズ川 (215 mi; 346 km)
スコットランド: テイ川 (117 mi; 188 km)
ウェールズ: タウイ川 (64 mi; 103 km)
イギリスのそれぞれの地域おける湖面積が最大の湖は以下のとおり
スコットランド: ローモンド湖 (27.46 sq mi; 71.1 km2)
イングランド: ウィンダミア湖 (5.69 sq mi; 14.7 km2)
ウェールズ: スリン・テギド (1.87 sq mi; 4.8 km2)
水深が最大の湖はモーラー湖で、最深部では309メートルに達します。イングランドで最深の湖はウォスト湖で、その深さは79メートル です。
そしてネス湖はイギリスにおいて水量の点で最大の湖です。

2015年には世界11位の輸出国と世界6位の輸入国であり、対内直接投資と対外直接投資は共に世界2位であるなど、世界で最も国際化した経済の1つです。
サービス部門はGDPの約78％を占めており、金融サービス業界は特に基幹産業で、ロンドンは世界最大級の金融センターです。製薬業界も重要な役割を果たしており、医薬品研究開発シェアは世界3位、自動車産業は、国内の主要な雇用先および輸出品目となっています。イギリスは大量の石炭・天然ガス・原油を埋蔵しており、埋蔵量は2015年に29億バレルと推定されました。イギリスの経済はイングランド、スコットランド、ウェールズによって構成されますが、地域によって大きな差がでています。ロンドンの経済規模は欧州内でGDPが最大級の都市です。
政府の関与は、主に大蔵省 、財務大臣 、ビジネス・イノベーション・技能省によって行われ、1979年以降の経済政策は自由放任主義を踏襲しています。

イギリスの農業は集約農業であり、機械化がされています。農業の労働人口は2%以下ですが依然として食糧自給率は70%代を維持しています。GDPの約2％を占める農業の内訳は3分の2が畜産物、残りの3分の1は耕作物です。家畜はウシ、ヒツジが多く、耕作では主に小麦、大麦、オーツ麦、ジャガイモ、砂糖大根、果物、野菜が栽培されています。
イギリスはその地理的特徴から世界の主要な漁業国の1つであり舌平目からニシンまであらゆる種類の魚を水揚しています。水産業が盛んな沿岸の町としてキングストンアポンハル、グリムズビー、フリートウッド、グレイト・ヤーマス、ピーターヘッド、フレイザーバラ、ローストフト等が挙げられます。

国家統計局によると2003年のGDPの16%、雇用の13%は製造業によるものです。イギリス経済に占める製造業の割合は第三次産業の拡大にともない1960年代以降相対的に低下し続けている一方、外国との貿易において製造業は依然として重要であり、輸出の83%を占めています。地域によって製造業に従事する人の比率は異なり、最も高い地域はイーストミッドランドの19%とウエストミッドランドの18%で、最も低い地域はロンドンの6%です。
工業とその周辺産業は製造業の中で最も大きく、2003年のデータでは製造業におけるGNPの30.8%がこの分野によるものです。工業の中でも運輸部門が大きな割合を占めています。TVRやロータスやモーガンのように特化した自動車メーカーや商用車のメーカーも存在します。自動車メーカー以外にもブラッシュトラクションを初めとして、様々な会社が鉄道機関車とそれに関連するものを製造するメーカーが存在します。さらに運輸部門には航空宇宙産業と防衛産業も含まれれており、この産業では民間航空企業や空軍、陸軍、海軍の装備を製造しているBAEシステムズが支配的な状態にあります。他にもVT グループ、GKN、ロールス・ロイスが航空宇宙エンジンと発電システムを製造しています。

サービス業はイギリスの経済の主要な部分を占めています。これは先進国の経済に共通する特徴で、サービス業の割合が多いということは、第一次産業と第二次産業の仕事よりも第三次産業が多いということです。

イギリスの小売業は競争力が高く、GDPの約22%にあたる2490億ポンドを占めています。大きな郊外の店舗と都市のショッピングセンターが存在し、さらにコンビニエンスストアは、小売業で重要な役割を果たし続けています。

イギリスの首都であり最大都市であるロンドンは世界最大級の金融街でもあります。金融業者の拠点は2つの地区、シティとドックランズ（特にカナリー・ワーフ）に集中しています。シティは株式と債券を扱うロンドン証券取引所、保険市場のロイズ、中央銀行のイングランド銀行があるとされ、ドックランズは1980年代から再開発が行われ、金融サービス機構 (Financial Services Authority) やバークレイズ銀行、シティグループ、香港上海銀行を本拠地としています。現在はシティとドックランズを合わせると500以上の銀行の事務所が存在しています。ロンドンの金融ビジネスは外国為替市場、エネルギー市場、保険市場などを主導しており、ロンドン証券取引所のAIM（新興市場）は1995年に創設されてから10年の間に新興企業向けのメイン市場に次ぐ位置づけから、比較的規模の小さい企業のための国際的な株式市場センターへと拡大しています。
イギリスは2005年には210億ポンドを外国へ投資しており、国際収支にかなり影響を与えており、外国に対する金融サービスの提供が拡大している。

観光業はイギリスで6番目に大きな産業であり、約760億ポンドの規模があります。2002年時点では労働人口の6.1%にあたる180万人をフルタイムで雇用しています。

広告、映画の制作、テレビ番組の制作、デザイン、出版、音楽、ファインアートの取引、骨董品の取引のような創造的な産業はイギリスで1990年代から2000年代にかけて最も強い成長をみせました。イギリスの文化・メディア・スポーツ省によれば、1997年以降のイギリス経済全体の成長が年率3%である間に、この産業は年率6%の成長を遂げたと言われており、現在イギリスの輸出総額の約8%を占めています。
1980年代のイギリスは先進的で熱心なホビーパソコンの市場で、これは娯楽用ソフトウェアとコンピュータゲーム産業の発展の強力な基礎となっていました。2003年において、イギリス映画の輸出額が2億5600万ポンドであったのに対しこの分野は4億8800万ポンドでした。

1825年開業のダラム州のストックトン&ダーリントン鉄道に始まり、近代鉄道の発祥の地であり国内には鉄道網が張り巡らされています。ロンドンなどの都市には14路線ある地下鉄（チューブトレイン）網が整備されています。しかし1960年代以降は設備の老朽化のために事故が多発し、さらに運行の遅延が常習化するなど問題が多発している状態です。
小規模の民間地方鉄道の運営する地方路線の集まりとして誕生したイギリスの鉄道は、19世紀から20世紀前期にかけて競合他社の買収などを通じて比較的大規模な少数の会社が残りました。1921年にはついにロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道、ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道、グレート・ウェスタン鉄道、サザン鉄道の4大鉄道会社にまとまり、これらは1948年に国有化されてイギリス国鉄 (BR) となりました。しかし1994〜97年にBRは、旅客輸送・貨物輸送と、線路や駅などの施設を一括管理する部門に分割されて民営化されました。
イギリス所有の英仏海峡トンネルは、イングランドのフォークストンからフランスのカレーまで、イギリス海峡の海底130mを長さ50.5kmで走る3本の並行したトンネルからなります。1本は貨物専用で、残り2本は乗客・車・貨物の輸送に使われます。このトンネルを使ってセント・パンクラス駅からはヨーロッパ大陸との間を結ぶユーロスターが運行され、ブリュッセル、リールなどのヨーロッパ内の主要都市との間を結んでいる。

産業革命を引き起こす切っ掛けとなった17世紀から18世紀における自然科学の発達を初めとして、王国の自然科学およひ科学技術は高い水準にありました。大英帝国全盛期や近代に置いてもその絶大な国力からくる研究への投資は科学技術を発展させ、全盛期から程遠い昨今に置いても各分野における権威ある大学や研究機関その他企業の研究と技術は先進国の地位に相応しい水準を維持しています。
イセヴァリの火の機関に始まり、トマスニューコメンの鉱山用蒸気機関、復水器や回転運動への変換機構などを搭載し実用的な蒸気機関を造り上げたジェームズワット、それを更に改良したリチャードトレヴィシック、実用的な蒸気機関車を走らせたジョージスチンブンソン。このように蒸気機関だけでも多くのイギリス人が関わっており、初期の産業革命で大きな役割を果たしました。
万有引力や微分積分学のアイザック・ニュートン、進化論のチャールズ・ダーウィン、電磁波のジェームズ・クラーク・マクスウェル、また近年ではブラックホールの研究でスティーブン・ホーキングなど、多くの著名な学者が例に挙がります。
科学上の重要な発見者には水素のヘンリー・キャヴェンディッシュ、ペニシリンのアレクサンダー・フレミング、DNAのフランシス・クリックが挙げられ、 工学面ではジェームズ・ワットやグラハム・ベルなどが居ます。科学の研究・応用は大学の重要な使命であり続け、2004年から5年間にイギリスが発表した科学論文は世界の7%を占め、学術雑誌ネイチャーや医学雑誌ランセットは世界的に著名です。

統一はかなり昔であるものの「イギリス民族」という民族は存在しません。主な民族はイングランドを中心に居住するゲルマン民族系のイングランド人（アングロ・サクソン人）、ケルト系のスコットランド人、ウェールズ人だが、インド系（印僑）、アフリカ系、カリブ系、アラブ系や華僑なども多く住む多民族国家です。

事実上の公用語は英語（イギリス英語）でありもっとも広く使用されていますが、イングランドの主にコーンウォールでコーンウォール語、ウェールズの主に北部と中部でウェールズ語、スコットランドの主にローランド地方でスコットランド語、ヘブリディーズ諸島の一部でスコットランド・ゲール語、北アイルランドの一部でアルスター・スコットランド語とアイルランド語が話されており、それぞれの構成国で公用語になっています。
特に、ウェールズでは1993年にウェールズ語が公用語になり、英語と同等の法的な地位を得ました。2020年現在、ウェールズ人口の約20%がウェールズ語を使用し、その割合は僅かではあるが増加傾向にあります。公文書や道路標識などはすべてウェールズ語と英語とで併記されます。また、16歳までの義務教育においてウェールズ語は必修科目であり、ウェールズ語を主要な教育言語として使用し、英語は第二言語として扱う学校も多く存在します。

フィッシュ・アンド・チップスやローストビーフ、ウナギのゼリー寄せ、トースト・サンドイッチなどが有名です。

多くの傑作を後世に残したウィリアム・シェイクスピアは、イギリス・ルネサンス演劇を代表する空前絶後の詩人、および劇作家と言われます。初期のイギリス文学者としてはジェフリー・オブ・モンマスやジェフリー・チョーサー、トマス・マロリーが著名です。18世紀になるとサミュエル・リチャードソンが登場し、彼の作品には3つの小説の基本条件、すなわち「フィクション性および物語性、人間同士の関係（愛情・結婚など）、個人の性格や心理」といった条件が満たされていたことから、彼は「近代小説の父」と呼ばれています。
19世紀の初めになるとウィリアム・ブレイク、ウィリアム・ワーズワースらロマン主義の詩人が活躍しました。19世紀には小説分野において革新が見られ、ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹、チャールズ・ディケンズ、トーマス・ハーディらが活躍しました。19世紀末には、耽美主義のオスカー・ワイルド、現代の推理小説の生みの親アーサー・コナン・ドイルが登場しました。
20世紀に突入すると、「SFの父」ハーバート・ジョージ・ウェルズ、モダニズムを探求したデーヴィッド・ハーバート・ローレンス、ヴァージニア・ウルフ、預言者ジョージ・オーウェル、「ミステリーの女王」アガサ・クリスティなどが出てきます。そして近年、ハリー・ポッターシリーズのJ・K・ローリングがかつてのJ・R・R・トールキンのような人気で世界中を湧かせています。

クラシック音楽における特筆すべきイギリス人作曲家として、「ブリタニア音楽の父」ウィリアム・バード、ヘンリー・パーセル、アーサー・サリヴァン、エドワード・エルガー、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ、ベンジャミン・ブリテンがいます。欧州大陸で古典派、ロマン派が隆盛をきわめた18世紀後半から19世紀にかけて有力な作曲家が乏しかった時期もありましたが、旺盛な経済力を背景に演奏市場としては隆盛を続け、現在もロンドンはクラシック音楽の都の一つとなっています。ドイツのオーケストラが地方中都市の団体でも四管フル編成を原則としているのに対し、ロンドン5大オーケストラは長年BBC交響楽団を除き総員70名台の中規模編成を貫き、大曲演奏に際してはフリー奏者を臨時補充するなどの形であったにも関わらず、それなりの世界的価値を維持してきました。一時はメンバーの共有も見られ、映画音楽の仕事が多いことが批判されることもあるものの、持ち前の合理主義によって、少なくとも英語圏では随一のクラシック演奏都市であり続けていまふ。オペラはロンドンにコヴェントガーデン王立歌劇場と、イングリッシュ・ナショナルオペラを擁し、後者は世界的にも珍しい英訳上演主義の団体です。

ポピュラー音楽、特にロックミュージックにおいて、イギリスは先鋭文化の発信地として世界的に有名です。1960、70年代になるとロックが誕生し、中でもビートルズやローリング・ストーンズといったロックンロールの影響色濃いバンドが、その表現の先駆者として活躍しました。やがてキング・クリムゾンやピンク・フロイドなどのプログレッシブ・ロックや、クイーン、クリーム、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバスなどのR&Bやハードロックがロックの更新に貢献、1970年代後半のパンク・ロックの勃興においては、ロンドンを中心にセックス・ピストルズ、ザ・クラッシュらが国民的なムーブメントを起こしました。
パンク・ロック以降はインディー・ロックを中心にニュー・ウェイヴなどといった新たな潮流が生まれ、テクノポップ・ドラッグミュージック文化の発達と共にニュー・オーダー、ザ・ストーン・ローゼズ、グリッドなどが、メインストリームではデュラン・デュラン、デペッシュ・モードらの著名なバンドが生まれました。90年代はブリットポップやエレクトロニカがイギリスから世界中に広まり人気を博し、オアシス、ブラー、レディオヘッド、プロディジー、マッシヴ・アタックなどは特に発展が目覚ましいです。シューゲイザー、トリップホップ、ビッグビートなどといった多くの革新的音楽ジャンルも登場しました。近年ではエイミー・ワインハウス、マクフライ、コールドプレイ、スパイス・ガールズらがポップシーンに名を馳せました。
イギリスではロックやポップなどのポピュラー音楽が、国内だけでなく世界へ大きな市場を持つ主要な外貨獲得興業となっており、以前のトニー・ブレア政権下などではクール・ブリタニアでロックミュージックに対する国策支援などが行われたりなど、その重要度は依然高いです。昨今の国際情勢におけるポップカルチャーの他国の関心の低さから相対的にカルチャーの本山として世界的な影響力を保ち続け、他国のポピュラー音楽産業の潮流への先駆性は、近年も揺らいでいません。