第2.65世界線　【架空国家を作ろう】

世界で最も多くの島々を有する国家であり、その島々の全数については国家が行っている調査と国際組織が行っている調査で大きな偏りがあるのでここでは詳しくは述べない。領域としてはマレー島南部とシュナインゲン島(ボルネオ島)などからソロモン諸島の最南端の南ラインネル島まで、横幅にして約1万キロの範囲に位置する島嶼の多くをその領域としている。また、その影響もあり、海洋面積も非常に多く、様々な資源にも恵まれている。
この島々は、いわゆるユーラシアプレートやフィリピン海プレートなどがひしめき合っている地域でありそのため、火山の数などが非常におおい。近年では2009年に本土であるシュビーデンブルグ諸島から南西の方向に離れたグラインド＝ナインリッヒ諸島付近の海底火山で大きな大噴火が発生し、周辺に甚大な被害が加わった。
この火山活動は、過去300年間で15万人以上の犠牲者を出してきたともいわれており、時には王朝が火山活動を原因として崩れるといったほどの大規模な噴火が歴史上多数起こっている。
ほとんどの領土が北回帰線と南回帰線の間に属しているため高温多湿な熱帯気候である。

現在は、多民族国家であり、民族や宗教などは非常に多岐にわたっている。しかし、主にアングロサクソン系のナハト人が構成民族の79%を占めている。君主国統一憲法を定め、これをよりどころにした民主政治を行っている。
また、非戦中立主義を掲げており、いかなる軍事的同盟も締結せずに自国の存亡が危ぶまれた場合にのみ他国に対して攻撃などを行うという主義を掲げている。この国是は、第二次世界大戦などで連合国側として参戦した結果日本などからの攻撃により国土が荒廃したことなどから来ており、二次大戦以降いかなる戦争にも介入していない。なお、現在中立承認をビザンツ・ギリシア帝国及び日本国より、中立保証を至高なる永遠氷国より受けており、その立場は年々国際社会に受容されている。
国家元首は、統一君主国国王であり、国王は各君主国の君主の総意と神の祝福によってその地位が保証されるとしている。ここにおける神は、キリスト教における「主」のことを指しているとされる。ナハト人は、基本的にキリスト教を信仰している民族である。

行政は、統一君主国国王より憲法に基づいて委託された権限によって星詠府が行う。星詠府の長であり行政権執行の責任者でもある星詠府総括は、後述する諮問院の諮問官の中から互選によって選出されている。星詠府は、その下部組織に「省」と呼ばれる組織を置き、専門性の高い行政施策を行っている。省の長は臣であり、臣の敬称として大臣という名称がつく。総括及び臣に着任するには諮問院の上奏を受けて、統一国君主が発する任官状が必要である。また、星詠副総括は、諮問院下院の正書記官であり、諮問院下院を招集し、解散する上奏を統一国王に上奏できる権限を有している。
地方には、各君主国の住民の中から選挙で選出される知事が行政権を行使している。各君主国には、世襲型の君主という地位があるが現在では、一切の権限などが与えられておらず地方行政は、知事に権限が与えられている。
現在では、乳幼児の急速な増加などに伴い社会保障費が増大していることが問題となっている。

立法は、統一君主国国王より憲法に基づいて委託された権限に基づいて、統一君主国全土において行われる選挙によって選出される諮問官によって構成される諮問院という組織が行う。諮問院は、上下二院で構成されており、上院の諮問官の任期は6年で下院の諮問官の任期は4年である。
諮問院は、立法を行うほか君主国統一憲法改正の発議や、予算案の承認など役割は多岐にわたっている。また、行政府の長である星詠総括は、この諮問院全体の諮問官の中から互選によって選出されるほか、臣もその大多数が諮問官でなくてはならない。また、後述する裁事官が心身の故障をきたした時や裁事官がその職にふさわしくない行為をした場合にこれを罷免する勧告を唯一統一国王に上奏できる機関も有している。また、星詠府に対する圧力として、総括を含むすべての星詠府の人間を罷免する上奏を国王にできる権限を有している。

司法は、統一君主国国王より憲法に基づいて委託された権限に基づいて、裁事院と呼ばれる組織が行う。裁事院にて、審理及び決定を行う裁事官は、憲法上平等な存在であるため法律上の最高官は、有していないが事実上の最高官は、裁事院院長である。裁事院本庁の裁事官については、前述したように諮問院に罷免されなければ終身任用である。それ以外の裁事官は、65歳定年制である。裁事官になるには法曹試験に合格するとともに、弁護人として10年以上のキャリアを積んだうえで、裁事官任用試験に合格し裁事官となるか、法学について相当に精通している学者が裁事官として任用されるかのどちらかである。
裁事院は、刑事、民事、国家賠償請求などの各種訴訟について処分の決定や和解などの判断を行うほか、令状を発行して各行政府に属する公務員に様々な許可を出す。たとえ、国王であったとしても裁事院の許可なくして国民の家に無断で入ることは許されていない。また、行政、立法がとる施策が憲法に違反していないかなどを判断し、もし憲法に違反していると判断された場合その旨国王に上奏の上、これの履行を停止させる権利と義務を同時に有している。

紀元前17000年前、現在の本土であるシュビーデンブルグ諸島のほかその周辺に位置する「ズンダランド」は、陸地であったと考えられる。
この頃には、すでにここを拠点として活動する一定数の人類がいたことがわかっている。これは、1985年にシュビーデンブルグ諸島東部のアイニリッヒ川の周辺で発掘作業していた一団が石器や化石化した人骨などを当時の地層から発見して証明された。
その後もこの周辺で原人や旧人などの頭骨などが多数発見され、この地域で人類が早期から活動していたことは明らかである。
現在の統一君主国につながるキリスト教文化は、1世紀後半頃に大陸などの交易によって当時の首長に伝わったあと、当時の首長が大規模に自らの領民にもこれを信仰させたことから広く広まったと考えられている。
3世紀頃にはシュビーデンブルグの西側一帯を治める「第一次ヴイルデバンド王朝」が成立していることが資料などにより明らかになっている。
この第一次ヴイルデバンド王朝は、ヴイルデバンド聖女王により設立され、ブランック=シュビーデンブルグ王朝などの統一君主国の王制の祖になった存在である。
第一次ヴイルデバンド王朝が滅びるとヴイルデバンド継国王による第二次ヴイルデバンド王朝が設立されたがこの王朝は天変地異により、127年3代の王朝で滅びた。
その次に「タンリッヒ王朝」が設立された。タンリッヒ王朝は、1020年続き現在統一君主国で最も長く王朝を保った一家である。
タンリッヒ王朝時代は、全体を通して大陸やヨーロッパなどと幅広く交易を行い、ヨーロッパとの結び付きを強めていった。
ゲルマン語派に分類されるシュビーデンブルグ語が使われるようになったのもこの頃からと考えられている。
その後シュナインゲン王朝になり、この頃から現在の王朝でもあるブランック家により大改革が行われ、それまでの不文的なきまりから成文的な決まりへと舵を切るなど様々な改革が行われた。
また、14世紀頃からの大航海時代に対抗するため積極的な海洋進出を初めた。これは、今の統一君主国だしの多くの領土を確保するきっかけとなったが、国内の貧富の差を生むことになり、シュナインゲン王朝が倒れる原因ともなった。1657年に、シュナインゲン王朝のやり方に反発したブランック家により、ブランック=シュビーデンブルグ王朝が新たに設立され、現在に至るまで7人の王や女王が統一君主国の統治を行っている。
1800年代後半に統一君主国統一憲法の前身となる「最高憲法」を発布した。この憲法はアジアでは最も早い時期に設立された憲法の一つに分類される。

国家としては、修正資本主義・市場経済システムを採用する工業国である一方、鉱物資源なども豊富に埋蔵されており資源輸出なども行われている。国定貨幣は、シュビーデンブルグ・コイン(SUC)である。
中核的な株式取引所として、ゴッデス=アイゲネス=ランド証券取引所などが挙げられ、この取引所は、世界でも有数の取引額を誇る取引所である。
国民は、貯蓄や現金決済を好む傾向にあるが、近年では民間各社の電子マネー決済サービスが活発化し、若年層を中心に電子マネー決済を好む層も一定数存在する。

近代民法制定以前は、植民地から得られる巨万の富を中心とした「植民地経済」を中心に経済を回していた。しかし、統一君主国憲法制定に伴い、財産権を基本とする「民法」が施行され、これ以来これに基づく財産権型経済を基本としてきた。主な特徴として、戦争などに巻き込まれないことなどから歴史的に安定した経済を保ってきた。石油危機後には、半導体産業や電子産業、コンピュータなどの超ハイテク産業への産業転換が国家戦略として実施された。2000年代初頭、リーマン・ショックの影響により年成長率が0.6%までに低下したが、現在は、1~3%の範囲を推移している。

二次大戦後の雇用傾向は、1950年代までは日本などの影響も大きく、長期雇用型で年功序列のシステムを取る会社が非常に多かった。また、全体としてキリスト教徒を好んで採用し、先住民族やアメニズムを信仰する者たちが次点、仏教やイスラム教を信仰するものが最下位という傾向があった。また、女性より男性が多く社会に出るような仕組みであった。しかしながら、この傾向を国家戦略として変え、現状では宗教や性別を起因とした職場差別は統計上は確認されていない。また、現在では欧米的価値観の流入により非正規雇用者も増加しているとされる。ただ、現状では正社員の存在が非常に多く不本意非正規雇用者は極めて少ないと見るのが一般的である。

超広大な領土と火山帯の上にその領土を抱える統一君主国は、非常に鉱物資源が多く且つ多種多様に存在しており、近代以来それを国家維持の大きな柱としてきた。ここで採掘された金や銀などを使って欧米からの武器の供給を受けることで中華王朝に朝貢することを避け続けるとともに、対等な立場で交渉に臨むことができたとされている。国の主要産業転換時もこの資源は大きな成果を果たし、様々な面で統一君主国の経済レベルを引き上げた。現在でも金などの採掘も行われている。また、油田や天然ガスなどの資源も豊富に埋蔵しており、これらを国内で使用する他輸出なども行う他、これを加工して輸出している。また、ニッケルやアンモニアの採取、精製なども行われており、これらを国内の電子部品産業で用いる他、非常に純度が高いので高値で取引される。

東部はシュナインゲン王朝時代などから開始されたアブラヤシなどのプランテーションによる生産が盛んで、アブラヤシを原料として生産される82%ほどが統一君主国において生産されている。また、大陸の影響で稲作も盛んであるとともに欧州の影響で産地などでは葡萄や小麦などの生産が行われている。シュナインゲン王朝までは、あまり生産量が振るわない時代もあったが、シュナインゲン王朝時代になってからの農耕学の飛躍的発展とその見地に基づいた徹底した農地の分離や適地適作政策などによって収穫量が大幅に増大した。島嶼部では農業は殆ど行われず、むしろ大きい島々で広く行われている。
また、国土の多くを海に接しているあるいみで「海洋国」の統一君主国は漁業も盛んである。特に、タイの養殖などは非常に盛んに行われており、日本の影響で刺し身などが大人気なほか、伝統的な食べ方として「プールシュッド」と呼ばれる天ぷらのような料理も存在する。統一君主国は、日本などと並ぶレベルで魚をよく食べる国である。

豊富な技術力と労働力、資源に裏打ちされ基幹産業として成立し、特に素材・金属加工・造船・土木工学・機械工学・電気工学・電子工学などの製造業は、世界最高水準の技術を維持する。スコロモガネ社やアルバトロス航空産業社などに代表される超先端産業やH&K社に代表される薬剤等の開発においても世界シェアの多くを握っており、工業的重要性が非常に高い。豊富な鉱業資源に恵まれており産業開発以降それらによって超大規模な発展を遂げた。ただ、自国の資源に依存した産業体型は非常に脆弱と言う指摘などから、ここ数十年で加工貿易などに軸足が移っている。
ただ、依然としてニッケルなどの資源は全く枯渇するおそれがないため、利用して製造を行うだけのみならず原料としての輸出も行っている。また、質だけでなく、非戦中立という立場から安定的に供給を受けやすいという事実も相まって、リスク回避の視点からも統一君主国製品が利用されることもある。

統一君主国の領域は非常に広大であり、総計322万6203平方キロメートルである。これは、インドを越す世界六位の面積である。また、歴史上統一君主国の領土は歴代国王によって軍事的な手法によって植民地化された部分が非常に多く、最近では1932年にマレー半島中部などのいわゆる「タイランド」を自らの領域に編入した。このため、2013年まで領土係争があったほか近年ではオーストラリアなどがその領域に苦言を呈すなど領土問題は後を絶たない。現在の端は以下の通りである。
北端…北緯20度23分54秒/東経100度19分48秒地点(マレー半島特別行政区チュレル=ベルハイト)
南端…南緯10度28分0秒/東経123度23分秒地点(大スンデルン諸島トル島)
西端…南緯11度26分50秒/東経154度23分55秒(ルイジアード諸島西フィリップ環礁)
東端…北緯5度54分23秒/東経95度13分00秒(イウランクン諸島)